【Report】#ミニアトリエ「『母のまなざし』をつくろう ZINEワークショップ」

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2015年11月29日(日)青空事務所さん主催「あなたの一冊『母のまなざし』をつくろう。~ “まなざし”を綴じる、和綴じZINEのワークショップ~」の講師として、大阪府池田市にあるさつきやま森のようちえんでワークショップを行いました。

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ワークショップでは、まずこの企画のはじまりのZINE『母のまなざし』についてお話しました。このZINEは私がZINE作家として最初に制作したもので、母親が私のために長年撮り重ねてきたフィルム写真の成長記録を、30年を経て娘の視点から振り返り、想いを添えて贈りかえすというものでした。

大切な記憶、失われたもの、交わせていない想い、後悔、感謝、愛情。慌ただしく追われる日々の中で忘れていたり、心に押し込めて蓋をしていた記憶や想いの欠片を、手元に残っている写真と自分のことばでZINEに綴じていく。そのシンプルな作業から自分の人生や家族を見つめ直し、綴じたZINEから何かを見出し、ZINEをとおして想いを交わして繋がっていく。

そんなZINEづくりがもっと増えたらいいなというささやかな願いを込めて制作した1冊が、Photoback Award 2013を受賞したことをきっかけに様々な人の手に触れました。そしてそのZINEを読んでくださった青空ツアーディレクターのなおみさんから「みんなの『母のまなざし』をつくるワークショップをしよう」とお声がけいただき、このワークショップがはじまりました。この夏に開催した第1回目に続き、今回もたくさんの記憶がおさめられた写真とことばにならない想いを抱え、2名の参加者の方が集まってくださいました。

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自己紹介とZINEについてのお話からはじまり、早速持ってきてくださった写真の中からZINEに綴じる写真を選びます。懐かしい写真たちを「選ぶ」作業は、まさに自分の人生と向き合う時間です。なおみさんとmichi-siruveもお話を伺いながらお2人の人生を辿ります。

続いて、写真の順番を決めて原稿に貼り、それぞれの写真に「ことば」を添えていきます。その時の記憶、伝えられなかった想い、今改めて思うこと。どんなことばを添えようかと自分の中にある様々な記憶や想いの欠片を集めて、ことばを探していきます。これが中々難しい作業、結局お昼休憩は返上になるほど熱心にことばを綴ってくださいました。

綴じ終えたら、まずは綴じたZINEの最初の読者に。綴じ終えたご自身のZINEをすごく充実した表情で眺めていらっしゃいました。そしてZINEを交換して、4人で読みまわし。大切なものを預かるように他の方のZINEを手にとり、うなづいたり、会話をしたり。たった数時間「綴じて」「読む」だけのシンプルなワークショップですが、みなさんの表情の変化を眺めながら、嬉しい気持ちでいっぱいでした。

最後にワークショップの振り返りとして、お昼を食べながらみなさんでおはなし会。ここには書きませんが、参加者の皆さんそれぞれに感じていただけたものや生まれたもの、自分の人生やご家族に対して大きく変化したこともあったようです。ZINEづくりをとおしてそのようなきっかけをお贈りできたこと、本当に嬉しかったです。最後に今回のワークショップに参加してくださったみなさんとZINEのお写真を少しばかり。

今日のひととき、そして生まれたZINEが、誰かと想いを交わし繋がっていくきっかけになればいいなと願いつつ、レポートのまとめとさせていただきます。参加してくださったみなさん、そして主催のなおみさん、本当にありがとうございました。

これにて2015年のmichi-siruveが講師を務めるワークショップはひと段落。ZINE関連では、12月6日(日)13時~宝塚市立西図書館みんなのたからづか マチ文庫でZINEづくりの相談役、12月13日(日)13時~伊丹市立図書館「ことば蔵」zine部のZINEワークショップのスタッフとして、2つの町の図書館にお邪魔します。いよいよ2015年もあとひと月、皆さんにとっても健やかに、充実した1年の締めくくりになりますように。

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