THE TOKYO ART BOOK FAIRのお礼旅

awaji

THE TOKYO ART BOOK FAIR2015への出展から一週間が経ちました。お礼が遅くなってしまいましたが、michi-siruveのブースへお立ち寄りくださった皆さま、本当にありがとうございました。初めてのブース出展でしたが、たくさんの方々が熱心に手にとり購入してくださり、販売用のZINEのうち私の手元に残ったのは展示品の中の一冊だけ。他のものは旅立ち、嬉しい限りです。

今回の出展では、淡路島で骨董を扱う小豆堂さんの10年間の骨董を綴じた『小豆本』や、私の祖母の暮らしと共にあった遺品を綴じた『otomo.』シリーズなど、日本の昔の暮らしの品々を綴じたZINEを中心に据えました。海外からのお客さまもたくさん興味を持ってくださり、拙い英語で古道具の説明に大忙し。そのうちのお一人、universotokyoさんも和紙を和綴じしたZINE『otomo.』をとても気に入ってくださり、サイトでもご紹介くださっているので、ぜひご覧ください。

「懐かしいなぁ」と、自分の中にある記憶をたぐり寄せ、目を細めてくださる方。「古いのに新しい」と、見知らぬ誰かの記憶を興味深々に眺めてくださる若い世代の方。自分が記憶を綴じて、誰に何を届けるのかということが改めてクリアになった貴重な3日間でした。そしてそれを確かめることが、今回の出展の目的でもありました。

帰阪して溜まっていた仕事もひと段落し、今日は淡路島の小豆堂さんまで、ブックフェアのお礼の日帰り旅へ。小豆堂さんが積み重ねてこられた10年間があったからこそ、1,700点もの写真がのこり、その写真に宿るものをお預かりして、私が綴じることができた今回の『小豆本』。いざ展示すると予想以上の反響があり、本を手にとってくださった方々の心に届いたものが、言葉になって私たちのところへたくさん戻ってきました。気持ちのこもった仕事は通じるんだなと、そしてこれからもこんな風に誰かの歩んできた道を記憶を本という形に綴じていきたいなとしみじみ思いました。

『小豆本』をきっかけに一つ生まれたプロジェクトもあり、次はそのお披露目に向けて準備を進めます。そのとにかく一つずつ、一冊ずつ、丁寧に積み重ねていきたいなと。往路も復路も快晴の明石海峡大橋だった思い出の2015年9月29日。これからもよろしくお願いいたします。

kaeri
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