2015-12-27

【Interview】Goto-tomorrow 後藤幸祐さん(2/3)

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香川県唯一の馬具職人によるハンドメイトの上質な革犬具を製作・販売されているGoto-tomorrow(ゴートゥ― トゥモロー)ブランドディレクターの後藤幸祐さん。香川県高松市にある工房に伺い、企画販売を担う後藤さんと、製作を担う馬具職人の藤田裕二さんから、じっくりとお話をお聴きしました。

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* Goto-tomorrow「製作のようす」動画より。

#2 馬具作りの製法を純粋に守る

── 「きちんとした製法」について、「製作のようす」という藤田さんが製作されている手順がおさめられた動画に見入ってしまいました。ものづくりのリズムが伝わってくるというか。

後藤:あの動画を作ってくれたのも、得丸成人さんという私たちの中学校の友人なんです。格好いいですよね。改めて映像で見ると、ものを作る手だなというか、藤田のお父さんの手に近づいてきたなっていう。

── どんな方がどのように作っているのかを知ると、ものに対する愛着もいっそうわきますよね。

後藤:私の子どもが小学校5年生、3年生、1年生と3人いて、1時間くらい平気で見続けていました。「楽しいん?」と聞いてみたら、楽しいし面白いと。娘は「手から、ものって作れるんやね」って、ものは機械から生まれるものだと思っていたけれど、人の手からものが生まれるんだと言ってくれたんです。

── 大人だけではなく、子どもへも純粋に届くのは嬉しいですね。そのお話を聞いて、藤田さん、どうですか?

後藤:彼は寡黙なので何も言いませんが、でもきっと嬉しいと思いますよ。

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── 「きちんとした製法」でという言葉について、もう少し具体的に教えていただけますか?

後藤:手を抜かないということです。最近の革製品はリベットという金具を使って、生産性を上げてコストを下げているものも非常に多いですが、私たちは使いません。手間がかかっても、1つ1つ手作業で穴をあけて縫っていきます。縫い方に関しても革ができる限り長持するようにして、とにかく昔からの馬具作りの製法を純粋に守るということを貫いていますね。

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── 馬具も正しい素材と作りで、かつ正しい使い方をすることが大切だと本で読みました。その馬具作りの技が活かされているところはありますか?

後藤:例えば、ワンちゃんと直接触れる首輪の内側は体毛にストレスがかからないようにしています。ナイロンや雑な作りの革首輪を使うと、ザラザラとした素材と擦れて肌が荒れてしまう。それでも散歩のときなどは首輪をつけなければいけない状況もあって、特に小さな短毛種のワンちゃんは肌荒れの悩みを抱えることも多いと聞きます。丸革首輪は、首輪の内側に一切塗料を使わず布糊という海藻でできた糊を塗り込み滑らかに仕上げているので、それまで肌荒れが酷かったワンちゃんも、丸革首輪に変えてから軽減した、なくなったというお声も多くいただきますね。科学的な実証がある訳ではないので、あくまでもお声として多いという形でのお話しですが。

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── 先ほどお話にあがった修理についてもお伺いしたいのですが、作ってくださった方に修理もお願いできるというのは嬉しいですね。

後藤:犬具に限らず、今市場で簡単に手に入るものの大半は使い捨てというか、修理できないというものが多いですよね。でも革製品は本来長く使えるもので、そう在らないといけないと思うんです。なので、Goto-tomorrowの商品はすべて修理がきくような設計になっています。犬具なので、ワンちゃんが噛みちぎってしまったり、力が掛かり続けて糸が切れることもありますが、例えば革が切れる前に糸が切れるという設計にすることで、縫い直してまた使えるという作り方にしています。

── 壊れて修理にきた首輪からワンちゃんの様子などはわかるものですか?

藤田:ワンちゃんよりも飼い主さんですね。リードの傷み方から、ワンちゃんを繋ぎっぱなしにしているとか。使い方を間違えると、一か所に負担がかかって革が切れたり、細くなってしまったりしてしまいますから。

後藤:長く使っていただけるように使い方をご案内する活動も、今後はしていきたいですね。

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Interview,Writing,Photo :藤田理代(michi-siruve)
2015年10月5日取材

【Interview】Goto-tomorrow 後藤幸祐さん(3/3)

*このインタビュー記事は、2015年にWebマガジン「LABEL JOURNEY」で掲載していた記事を再編集したものです。

michi-siruve (みちしるべ)
“記憶”を綴じるZINE作家。「掌の記憶」を綴じながら、日本のまちを巡っています。>>詳しくはこちら
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