【Interview】jolie saison 29 菅原美季さん (1/3)

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羊毛を使ったwool100%のフェルト作品をひとつひとつ手作りする、フェルト作家 jolie saison 29 菅原美季さん。兵庫県西宮市にあるアトリエで、羊毛や作品を拝見しながらじっくりお話を伺いました。

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#1 季節を通してかわいい物を

── フェルトを始めようと思われたきっかけからお聴かせいただけますか?

菅原:振り返るとうちは祖母が刺繍を教えていて、母も洋裁や編み物、姉も洋裁をしていたので手作りのものは昔から触れていましたね。でも、私自身は小学校の授業でパジャマとか縫うようなことも苦手で、そういうことはしないまま過ごしていました。

── それは意外なエピソードですね。その菅原さんがフェルトに目覚めたのはいつ頃でしょうか?

菅原:元々雑貨が好きなこともあって「何か自分で作りたい」という想いはずっとあったんですね。刺繍はやっていたので、母が出店した「八ヶ岳まるごと収穫祭」に私も刺繍をしたくるみボタン出したことはありました。

フェルトとの出会いは今から7~8年前で、ちょうど仕事を辞めて1ヶ月ほど母の住む長野に滞在していた頃でした。母親が縫い目のないフェルトでできたコートを着ていらっしゃる人と出会って、フェルトの先生がいらっしゃると聞いて私も興味を持ってその先生のところへ行ってみたのがきっかけでした。

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── 縫い目がない、というのは確かにフェルトの不思議なところですね。始めてみてどんな感じでしたか?

菅原:その先生は最初から作りたいものに挑戦させてくださる方で、バッグを作ったんです。作品を見た先生が「色遣いが綺麗ですね」と褒めてくださって、自分では自覚もなく作っていたので嬉しかったのを覚えています。

例えば、洋裁だと1mm単位でもずれると全てが狂ってしまいますが、フェルトは縫わずとも自分の思う形になってくれるところが面白いですね。マチを付けようと思うと生地をこすればマチが付き、短い時でも多少伸ばすこともできるんですよね。

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── かなり自由の効く素材ですね。今までどんなものを作りましたか?

菅原:バッグ、スマートフォンケース、バッグチャーム、スリッパ、帽子、ストールなど、材料を仕入れてはひたすら作り続けていました。

そのうちにまずは知り合いが買ってくれるようになり、ホームページを立ち上げたのが2009年。スマートフォンケースや「ころりんバッグ」というオリジナル型のバッグから始めて、お客さまに「こんな形が欲しい」と相談されたものを作ってみたり、思い出すと懐かしいですね。

── その時から今の屋号、jolie saison 29で始めていらっしゃったんですか?

菅原:そうですね。屋号を考える時に「数字をつけたい」というのが一番にありました。縁のある数字が29で、自分の誕生日や実家の電話番号にも入っていて形も可愛くて、2009年から始めたことも重なって。

あとは名前の美季からとって「美しい季節(belle saison)」も考えたのですが、既に別の方が使われていて、季節を通してかわいい物をという意味を込めて「jolie saison 29」という屋号に決めました。

―jolieという響きが可愛いですね。お客さまからはオーダーの方が多いですか?

菅原:イベントやクラフト市に参加してオーダーを承ることが多いですね。これからはもっと大きなイベントにも出店することでより色んな方々に知っていただきたいなというのはあって、この夏も東京ビックサイトで開催された「HandMade In Japan Fes 2015」に出店しました。

他の出店者さんのクオリティも高く、自分の刺激にもなりましたね。そもそも作家活動を始めた時の動機に「色んなところに行きたい」というのもあったので、これからも出店する場所は広げていきたいですね。

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Interview,Writing,Photo :藤田理代(michi-siruve
2015年10月3日取材

【Interview】jolie saison 29 菅原美季さん (2/3)

*このインタビュー記事は、2015年にWebマガジン「LABEL JOURNEY」で掲載していた記事を再編集したものです。

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