2018-07-13

「掬することば」 – kiku suru kotoba –

「掬することば」- kiku suru kotoba –

地震や大雨のことが気になり綴れずにいたのですが、2018年6月30日で絨毛がんが寛解して丸4年が経ちました。がん、つまりは命に関わる突然の病を患い4年。あっという間でもあり、とても長くもありました。

病がもたらす心身の喪失感。患者、家族、医療者それぞれが抱える孤独。その中で何かを表現する、そして交わすことの難しさ。それを痛感してきました。そしてそれ以上に、交わすことができたときに生まれる力もまた実感してきました。だからこそ「交わすきっかけづくり」ができないだろうか?とことばを紡ぎ、自分の手で綴じる手製本(ZINE)という表現で制作や展示を続けた4年でした。

一方で、それでもまだ綴じれずにそこからこぼれてしまっているものもたくさんあります。それをもう一度「ことば」としてのこして置きたい。そんな想いから、5年の節目に向けて「掬(き)くすることば」- kiku suru kotoba – というかたちで「ことば」を掬い上げ、見つめなおして経験をひらいてゆくことにしました。

きく・する【×掬する】
1 両手で水などをすくいとる。
2 気持ちをくみとる。推し量って理解する。
3 手にすくいとって味わいたいと思う。(デジタル大辞泉)

がんという孤独の中で受け取った「ことば」
先の見えない暗闇の中で発した「ことば」

そんな「交わしたことば」に立ち返ってこの4年間を改めて見つめなおしたい。そこで闘病中、またその後見守ってくださった皆さんのお力もお借りしたいです。今までのように自分一人で見つめなおすのではなく、治療中から今日まで出会った「あなた」と交わしたことばを、二人で見つめなおしてみたい。

具体的には

□ あなたがわたしに贈ったことば
□ わたしがあなたに贈ったことば

から、あなたの記憶にのこっているものをわたしに教えていただきたいのです。

何かメッセージを交わしたSNSやメール、手紙のやりとりの中で、記憶に残っていることば。(スクリーンショットした画像などでも大丈夫です)会ったり電話したりの会話で交わしたことば。そんな「交わしたことば」の中から、何となく心に残っているものがもしもあれば、わたしに教えてください。

ことばのディテールは正確でなくて大丈夫です。綺麗なことばや前向きなことばばかりを集めたいわけではありません。どうしようもない弱音や愚痴でも。逆にあなたに戸惑いや痛みを与えてしまったことばでも。ひとつでもたくさんでも。

がんになったひとりの人間が、まわりの人たちからどんなことばを受けとり、発し、交わしながら5年という月日を歩んできたのか。その足あとや心の変化を「交わしたことば」からそっと浮かび上がらせたいのです。

本当は自分で全部記憶して、記録できていたら良かったのですが。綴る力のないような日も多く、綴り損ねたことばたちをたくさんこぼしてしまいました。確かに記録されていたスマートフォンもある日落として壊してしまい、治療中からメールやLINEで交わして残していた大切なことばの大半が消えてしまいました。

一生懸命握りしめて記憶していたはずのことばも、いつの間にか指の間から砂のようにこぼれ落ちつつあります。せめてどこかに綴っておけばよかった。今かすかに残っている欠片を必死に辿りながら綴りなおしています。

でもひとりでは限界があって、今回こういったかたちで「ことばあつめ」のお願いをすることにしました。直接交わしてはいないけれど、わたしのZINEやWebサイト、SNSで見かけたことば、出会う前に置かれたことばでも大丈夫です。各種SNSからのメッセージやメールでわたし宛にお送りいただけたら嬉しいです。

「掬することば」制作の流れ

1.この5年間にあなたとわたしの間で「交わしたことば」を募集します。今から1ヶ月後の、8月中旬を目処にことばをお送りください

2.いただいた「ことば」を元に、交わした当時のことを二人で振り返りながら、少しやりとりさせていただけたらなと思います

3.「ことば」とその時のシチュエーション、今改めて二人で振り返って感じたことを中心に、わたしが短い文章を添えます。今回は最初に置く場所をあえてWeb上にします。(noteを予定。ことばを交わした個人が特定されることがないよう、文章は工夫します)

4.その後、最終的にはZINEに綴じる予定です。

ちなみに「掬することば」には、ことばひとつにつき、石を1粒選んで添える予定です。ZINE『ココロイシ』にも綴じたハート形の石。77粒をZINEに綴じてそのうち27粒にことばを込めましたが、その本からもこぼれた石があと153粒あり、箱の中に眠っています。すべて撮影しなおして「掬することば」の230粒を1粒ずつにことばをおさめる予定です。

そんなこんなで、またわかりにくいややこしいことをはじめますが、しっかりかたちにして届けたいなと。みなさんの力と記憶を貸していただけたら嬉しいです。

がんに限らず、突然の喪失や孤独を経験した人とも共にできるような「ことば」にして届けたいと思っています。また一人ひとりお願いさせていただきます。よろしくお願いいたします。

Visit Us On TwitterVisit Us On FacebookVisit Us On Instagram
Schedule

Exhibition / Event / WS
9.30 「店さきモノヅクリmarket」@服部阪急商店街(大阪府豊中市)
10.13 「じゃばら豆本ワークショップ」クレフィ三宮(兵庫県神戸市)
10.17「好きと共感のマーケティング研究会『大切な記憶を手製本にする』」@とよなか起業・チャレンジセンター(大阪府豊中市)
11.16-18「いのちの物語をつむいで~音楽・絵本・ことばの視座から~展」 (兵庫県尼崎市)
11.23 「家族の思い出を豆本に。じゃばら豆本ワークショップ」@東淀川区民会館(大阪府大阪市)
12.8 「とよなか産業フェア」@豊中市立芸術文化センター(大阪府豊中市)

記憶のアトリエ
5.27 「記憶のアトリエ」in 幸ハウス(静岡県富士市)
8.12 「記憶のアトリエ」@音川(富山県富山市)
11.3 「記憶のアトリエ」in 幸ハウス(静岡県富士市)
12.15 「記憶のアトリエ」 (兵庫県宝塚市)

関連記事