【Report】かげあつめ

2018年8月18日(土)~19日(日)の2日間、紙芝居ユニット トコテコさんの紙芝居小屋で、人の“かげ”を集めて作品制作をされている浅井郁さんの「かげあつめ」というイベントが開催されました。

6月に建築家の奥田さんと紙芝居ユニット トコテコさんの紙芝居小屋でひらいた「ふたりの いちにちアトリエ」で、“かげ”のZINEを作ってくださった浅井さん。

かげとZINEですっかり意気投合し、「かげあつめ」のお手伝いをすることに。わたしはいつもの移動アトリエのセットを抱えて伺い、“かげ”を使ったZINE制作体験と記録写真のお手伝いをさせていただきました。

2か月ぶりの紙芝居小屋。一歩足を踏み入れると、壁にも床にも大きな木にも…あちこちに人の“かげ”が。今まで作品化されたものから今日のイベントに参加できない方から送られてきたものまで、撮影場所も形もさまざま。それぞれにキャプションがついていて、かげの物語が綴られていました。

今回はかげ撮影のイベント。お庭を望む縁側の雨戸は締め、暗幕で仕切って「かげ撮影処」を作りました。撮影処の隣は「かげ切り抜き所」として、かげ画像を加工しカッティングする機材を配置。小屋の真ん中にZINEの体験場所と休憩スペース。撮影から製本まですべての流れが体験できる場所が整いました。

「かげ」というワクワクする響き、浅井さんとオーナーのけいこさんのお人柄もあって、なんだかんだで人が途切れず大盛況。みなさん思い思いにかげの撮影、切り抜き、装飾をたのしみ小屋の中にかげを飾ったり、ZINEに綴じて持ち帰ったりされていました。

両日14時からは、トコテコ紙芝居さんと浅井さんが共作したかげ紙芝居「スットコさんとかさ」も上演。使われているかげはトコテコ紙芝居のお二人のかげ。ストーリーの組み立てから撮影、そして紙芝居の制作まですべて浅井さんとアイデアを出し合いながら完成されたそうです。

光に照らし出されたかげが、紙芝居の枠の中から外へ。愛雅さんの語りとけいこさんの動きで踊るようにお話が進む。トコテコさんらしいリズムの紙芝居が生まれていました。

今回、michi-siruveはZINEづくりのお手伝いとして参加しましたが、わたしの友人もたくさん訪ねてくれました。部屋の真ん中に置かれた木箱の中には「がん」の経験を綴じたZINE『かぞくのことば』や『ココロイシ』、豆本詩集『汀の虹』、国立がん研究センターやマギーズ東京が発行している書籍や雑誌なども並べていたのですが、かげ撮影の合間にいろんな方が手にとってくださいました。

がんを経験された方もそうでない方も、がん経験者と出会うこと、がんについての情報に触れることが当たり前のことになったら嬉しいな。それが、わたしがさまざまな場所でさまざまな人とイベントをひらいている理由でもあります。

2日間のイベントが終わる頃には、小屋のあちこちに、かげ、カゲ、影。「かげあつめ」の名前そのまんまのたのしい2日間になりました。

しばらくすると、主催の浅井さんからお礼のハガキが。そこには、2日間で撮影に参加してくださったみなさんのかげが一つになり、とっておきの思い出になりました。

ちょっぴり坂道の上にある紙芝居小屋までかげを預けにお越しくださったみなさま、そして主催の浅井さん、トコテコ紙芝居小屋の愛雅さん、けいこさん、たのしい思い出をありがとうございました。またどこかで、お会いしましょう。

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