「ホスピタルアート from ギャラリーⅢ」(展示)

2025年10月28日(火)~11月9日(日)まで、大阪の江之子島文化芸術創造センター(enoco)で開催される企画展「ホスピタルアート from ギャラリーⅢ」に、入院中の子どもたちとの本づくりの記憶を展示いただいています。


この夏、ひといろプロジェクトさん主催の病院内でのワークショップにて「夜空」ということばのもと、入院中の子どもたちと本づくりの時間を持ちました。

子どもたちが自由に表現できて
ワークショップが終わったあとも
病室でその表現や過ごした時間を
味わえるような本づくりができたら

というイメージを預かり、自由に星座を描いたり、願いごとを綴ったり、光にかざすとちいさなプラネタリウムのようにもなる『yozora』という小さな手製本を綴じ、普段「記憶のアトリエ」で並べている道具や素材を持ち込みました。

子どもたちは、本の余白やアトリエに並んだ素材たちを見つめながら、自分や大切な誰かの星座を浮かべたり、手紡ぎの糸で星を紡いだり、秘めた想いや小さな願いごとを綴ったり。静かに黙々と、それぞれのペースで綴られる表現の奥にあるものを想像しながらのひとときとなりました。

アトリエで制作した本はそれぞれが持ち帰るため、わたしの手元には何ものこらないのですが、今回の企画展でそのワークショップの記憶も展示したいというご依頼をいただき、その時間に子どもたちが触れていたサンプルの手製本や道具、素材の一部をお預けしました。

いわゆる「作品展示」とは異なるものですが、川西さんが子どもたちの記憶が宿る素材たちを展示会場の中心に据えられているベッドの上に並べてくださり、静かに黙々と表現していた子どもたちの存在そのものがそこにある、そんな展示にしてくださっています。

自分やご家族の星座を浮かべたいと、一生懸命印をつけてくれていた跡が残る星座シート。治療への想いを表現するために、ひらがなの活字の山から一文字ずつ探して本の中に並べてくれていた小さな活字たち。素材に宿る子どもたちの記憶をみつめながら、子どもたちのことを想っていただけたらうれしいです。

星の位置「各月ごとの星空イラスト」(©国立天文台)

ホスピタルアート from ギャラリーⅢ
日時
2025年10月28日(火)〜11月9日(日)11: 00~19:00
(11/6 月曜休館 最終日16:00迄)
会場
大阪府立文化芸術創造センターenoco
大阪市西区江之子島2ー1ー34
参加アーティスト
池平徹兵 いまふくふみよ 井上信太 michi-siruve たなかわこ 5SENSES+ 葛本康彰