【Report】「記憶のアトリエ」 in 名古屋

「記憶のアトリエ」 in 名古屋 – 「グリーフケア」をみつめる大学の講義で –

2026年7月4日(土)愛知県にある椙山女学園大学 人間関係学部の「グリーフケア演習」の補講として、本づくりの移動アトリエ「記憶のアトリエ」in 名古屋をひらきました。

今年も声をかけてくださったのは、この講義を担当する森川和珠(わこ)先生。2024年2025年に引き続き、講義を受講する学生のみなさんのためにとご依頼をいただきました。

今年も「一人ひとりが、思い思いに」というわこさんのご依頼のもと、学生さんたちへのお手紙のようなご案内ページをお送りし、いろんなかたちの手製本や素材をたくさん詰め込んで伺いました。

大学で、「グリーフケア」を学ぶ大学生のみなさんと

3年目となる今年も、窓の外にキャンパスの緑が揺れる明るい教室で。お天気は少し雨模様でしたが、窓際の一角にアトリエの素材や道具を並べる島をつくり、残りの空間を学生のみなさんが思い思いに過ごすことができる空間に設えました。

過去2年は数人が集って制作できる島をいくつか浮かべたりもしましたが、今年の学生のみなさんの普段の過ごし方を見守ってきたわこさんからのご提案で「いつもの教室」の雰囲気をのこそうと、素材の島以外はいつもの教室のレイアウトのままで、学生のみなさんが好きなお席で過ごしていただけるように設えました。

アトリエの様子

しばらくすると学生さんが一人、またひとりとお越しくださり、みなさんお揃いのタイミングで素材の島に集まりアトリエの道具や素材について簡単なご案内をして、3時間ほどのアトリエがはじまりました。

緩和ケア医の先生がくださった和紙のシール、看護師さんがくださった色とりどりの紙やマスキングテープ、湖畔から届いた紅葉、画家の友人から届いた水彩画のような和紙、学生さんがくださったシール、活版印刷された活字、そしてさまざまなかたちをした手製本。

今年もわこさんが今回のアトリエのために持ってきてくださった押し花やシールなども加わり、にぎやかな色どりとリズムが広がります。「記憶のアトリエ」をはじめてからの9年間で各地から寄せていただいた大切な記憶の欠片たち。老舗のカフェのカレー鍋のように、少しずつ足されてあたためられ、アトリエならではの味わいに育ってきました。

そんな思い出いっぱいのアトリエで、お越しくださったみなさんと3時間を過ごしました。

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手製本や素材を、手にとったり眺めたり。それぞれの距離感とペースがそっとある静かなひととき。あまり邪魔をしないようにそっと覗かせていただいたり、少し声をかけさせていただいたりしながら、選んでくださった手製本や制作の様子も、少しだけ撮影させていただきました。

素材に触れてゆく様子や、選んだ素材が浮かぶ机のに広がるそれぞれの色や記憶から伝わるみなさんのなにかに耳を澄ませながら過ごすひとときはいつもしあわせな時間で、誰よりもわたしが、このアトリエの時間を必要としているのかもしれません。

アトリエで流れていた時間の詳細は参加者のみなさんとの思い出として留めますが、その空気を少しだけ感じていただけたらと、2026年夏のアトリエでともにした大切な時間のそこにあった景色を少しだけおすそわけさせていただきます。

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同じ素材の山からはじまっても、白い机と本の余白に広がるものには不思議とそれぞれの感性が煌めいていて、写真というかたちでその時の記憶を少しだけこうして残していられること。それぞれの写真からみなさんの様子が思い出されて、宝物だなと思います。アトリエに参加してくださったみなさん、そして写真の許可をくださったみなさん、本当にありがとうございました。


アトリエ自体は本当にいつも通りあっという間に過ぎてしまい、いつも名残り惜しくてたまらないのですが「できたら教えてね」と声をかけ、素材や道具をトランクにしまって元通りの教室に。

今年もわこさんとも帰り道にアトリエ時間を振り返りながらじんわりあたたかい余韻を抱きしめ、軽くなったアトリエのトランクを抱えて大阪に戻りました。

アトリエを終えて

今年のアトリエでも、わこさんから「アトリエで使ってください」と、たくさんのすてきな記憶の欠片をいただきました。

いただいたシールはお越しくださったみなさんが探しやすいようにテーマ別にシール帖に貼りなおし、押し花はいつどこでいただいた何というお花なのかラベルを貼って半透明な袋におさめて、次のアトリエにお越しくださったみなさんにお届けしています。

こうして大切な記憶を寄せてくださることへの感謝と、それを次の誰かに手渡せる喜びをあらためて感じながら、ありがとうございますの気持ちを添えて、今回のアトリエのレポートとさせていただきます。


レポート自体はささやかなものですが、今年もみなさんの学び舎でわこさんと学生のみなさんと一緒に過ごすことができて、しあわせな時間でした。本当にありがとうございました。

みなさんの残りの学生生活、そしてこれからの日々も、あの日の空気のようにほんのりあたたかいぬくもりに満ちた日々になりますようにと願っています。

「記憶のアトリエ」について