【Report】患者が「いえる(言える・癒える)」助けとなる関わりとは @研修会でのがん体験談(奈良)

2024年10月6日(日)、がん医療に従事されている医療者のみなさんが集う研修会にて、希少がん経験者として体験談をおはなしする機会をいただきました。


昨年別の機会にわたしのがん体験談を聴いてくださった病院の職員さんから、医療者向けの研修会でも患者の立場から「いえなさ(言えなさ・癒えなさ)」についての体験談をお願いしたいというご依頼をいただき、研修会で大切にされていることや参加者のみなさんのことを伺いながら、今回の会で役目を果たせるような構成をご相談しながら調整して当日を迎えました。


タイトルは【患者が「いえる(言える・癒える)」助けとなる関わりとは】。最近各地でお話する機会をいただいているテーマで大きな構成も同じですが、いただいた時間に合わせて、より大切なところにきゅっと焦点を当てた構成に調整しました。


まず最初に、患者としての背景や罹患後10年という患者人生の旅路という大きな流れをみなさんと共有しました。

治療中の患者さんやご家族と関わる医療者のみなさんにとっては「治療中」の体験が一番日常に近く、体験談としても必要とされていることではあります。でもあえてその前後の旅路も含めて共有することで、目の前の患者さんの「その前後(治療前後)」を想像しながら「いま、関わる」ことの助けになればという想いがあり、治療前後の旅路も簡単にお伝えするようにしています。

次に、治療中の「いえなかった(言えなかった・癒えなかった)」体験を、いくつかの具体的な場面や言葉、理由とともにお話して、そんな「いえなさ」を感じとり触れてくださった医療者の方の関わりと、治療後に「いえる(言える・癒える)」ようになったいろんな方々の関わりについても少しだけご紹介しました。

具体的な内容については、スライドをご覧ください。

スライドの一部はこちら

病院内の研修会で体験談の機会をいただくのは3病院目ですが、この研修会でも、研修の最初から終わりまで参加させていただきました。

がん医療、もしくは医療というフィールドでどの病院でも共通して大切にされているなと感じることもありますが、病院が異なると参加される医療者のみなさんの背景や職種も少しずつ異なっていたり、企画運営されるみなさんの想いの背景にあるその地域や病院の歴史・特性などもそれぞれです。そのような異なりからそれぞれの病院らしさを感じることは、それぞれの研修会で必要とされている役割を果たすために大切なことであり、一人の患者として医療や医療に関わるみなさんのことを知り、視野を広げる貴重な時間にもなります。今回もたくさんの気づきや学びの種をいただきました。

また、今回の研修会では別の場でお会いした医療者の方との再会や語らいもあり、気にかけて声をかけてくださるスタッフのみなさんのやさしさにも触れ、初めての参加にも関わらずとてもあたたかな時間を過ごすことができました。

何よりも、こうしてそれぞれの場所で、患者さんやご家族のためにと研修会を企画運営しているみなさん、その場に参加し日々の診療に生かそうと学ばれているみなさんがいることは、いち患者としても本当に有難く、日々の診療の時間の向こう側にあるこのようなご尽力も感じながら、がん経験者としてできることを重ねていきたいと改めて思いました。


今回お声がけくださり、お聴きくださったみなさんも、本当にありがとうございました。これからもともに考える一人として、一つひとつのご依頼に精一杯向きあいながらできることを重ねていきます。

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