ZINE『心友たち』(2023)

2018年のご依頼から計45人の出会いの記憶を綴じてきた『心友たち』の続編、第5巻です。

『心友たち』(2023)

今までの人生で出会った「心友たち」との出会いの記憶を贈る手製本。2020年に3冊組、2022年に続編の計4巻で45人の出会いの記憶を綴じた『心友たち』の続編、第5巻です。

和紙で制作した手製本にあとがきを仕舞った封筒を仕舞い、ひとつの贈り物にしています。

memo
□ 封筒におさめたあとがき
□ 作者のひと添えで仕上げる
□ 3冊組の続編

data
210mm×150mm/54ページ
洋紙・和紙/和綴じ(康煕綴じ)
2023年11月30日発行
綴じ 藤田理代 (michi-siruve

2014年の春から、ほぼ毎月お一人ずつ。「心友」との出会いの記憶を文章に綴り、心友のみなさまへメールでお送りされていた「心友出会い紹介」。その心友たちとの記憶を手製本に綴じ、心友お一人おひとりへ贈りたいというご相談をいただき、2020年1月に3冊組の手製本をお贈りしました。

初版の3巻セットをお贈り間もなく、感染症の流行により暮らしが一変しました。わたし自身も暮らしに変化が生まれ、以前のような制作が難しくなりました。それでも『心友たち』はmichi-siruveに……とご依頼いただき「期限のないお約束」という形でお預かりし、2022年に第4巻を、そして2023年、ご依頼主の古希の節目に第5巻をお贈りすることができました。

お一人ずつの原稿を紙面に浮かべて校正し、約1,800枚の和紙に印刷。1枚ずつ手で折り、ページごとにアトリエのラグ一面に並べて丁合して製本。

紙問屋さんから届いた500枚ずつの真っ白な和紙の束が印刷機を通り、記憶の地層として積み上がったり、記憶の海のよう一面に広がったり。そんな風にアトリエのなかで何度も形を変えながら1冊の手製本へと生まれ変わってゆく時間を経て、1冊ずつ表紙でくるんで、糸で綴じ、封筒に仕舞われた著者の「あとがき」を添える。とても大変な作業ですが、綴じあがった手製本を手にとると、なんとも言えない気持ちになります。

いろんな事情でわたしがこの『心友たち』の手製本を担当するのは今回までとなりますが、次の制作を担ってくださる方にもバトンをお渡しすることができ、一区切りとなりました。

一区切りのしるしとして、2020年の初版で本のまえがきを寄せてくださった、著者の大学時代の恩師でもある上野千鶴子先生。のことばのご紹介を添えて、第1~5巻の制作の結びとさせていただきます。

5年間という長い長い本づくりの旅を、本当にありがとうございました。

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