2015-12-27

【Interview】Goto-tomorrow 後藤幸祐さん(3/3)

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香川県唯一の馬具職人によるハンドメイトの上質な革犬具を製作・販売されているGoto-tomorrow(ゴートゥ― トゥモロー)ブランドディレクターの後藤幸祐さん。香川県高松市にある工房に伺い、企画販売を担う後藤さんと、製作を担う馬具職人の藤田裕二さんから、じっくりとお話をお聴きしました。

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#3 より文化的にも確立されて、良い犬具を選ぶことができる時代になるように

── お仕事は、いつも何時くらいからされていらっしゃいますか?

藤田:早い時は6時くらいから始めることもありますね。

後藤:手間がかかっていますからね。効率化というのは世の中全体で言われますが、作り方に関しては本来効率化してはだめなところもたくさんあると思うんです。それを妥協して効率化していくから、どんどんものに対して愛着が持てなくなってきているのかなと。本当は「10年リード」なんて言わずに、1年やそこらで切れて買い替えるような商品の方が売り上げは上がるのかもしれませんが、そういう訳にはいきませんから。

── そこはこだわりで。

藤田: 昔からお客様に「もっと簡単に作ったらええんちゃうか」と言われますね、いつまでも壊れずに持つからと。

後藤:でも、良いものを作り続けたいというか、お客様で一番嬉しかったのが、いつも定期的に注文くださる方に一度「修理も承りますよ」お伝えしたことがあったんですね。すると、壊れたから再購入している訳ではなくて、良いものだからと友人にプレゼントしていまと言ってくださって、本当に有難いことで嬉しいなと思いました。

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── この夏にニューヨークの展示会にも出展されたそうですが、どうでしたか?

後藤: 8月に「NY NOW(ニューヨーク・ナウ)」というニューヨークで年2回開催される大規模な展示会に出展しました。香川県が県内のものづくり企業を後押ししようということで、うち以外の企業さんとも一緒にチーム香川として出展したんです。僕たちはターゲットが明確だったので、まずは動画も作ってくださった得丸さんに「ニューヨークで配る英語のフライヤーを作ってください」とお願いして。毎朝展示会が始まるまでの間、セントラルパークで犬を散歩されている人にフライヤーを配りました。香川からの出展メンバーは、企業によって立ち位置が違っても、見ている方向は同じだなと感じる部分があって、これからも切磋琢磨して色々と試みていきたいですね。

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── 最後に、これから目指していらっしゃることなどもお聞かせいただけますか?

後藤:私たちも本当にペットというか犬が好きですが、犬具も含めて長く付き合うことのできるペット用品というのがまだまだ少ないです。それはかわいそうというか、これだけペット市場が大きくなっているにも関わらず、裾野が広がっただけで文化的にはきちんと確立していないのではないかなと。これは日本だけではなく、海外でも同じことだと思いますが。私たちは今犬具、首輪とリードに特化していますが、今後リードに関してはさらに強化して、色々なリードを作っていきたいと考えています。けれども、それ以外のものにも広げていこうというのはあまり考えてないんですよ。それ以外の部分に関しては、もっと同じような考え方を持ったブランドが生まれてくれて、他のブランドさんに挑戦してくれたらいいなと。ペットを飼っていらっしゃる皆様が、もっと選ぶことができる時代になったらいいなというか、本当の意味で選択肢が増えていくといいなと思います。

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*写真左から、後藤哲平さん、藤田裕二さん、後藤幸祐さん、藤田宏行さん、藤田将幸さん

取材後記

「きちんとした素材」「きちんとした製法」にこだわるGoto-tomorrowさんの犬具。お話をお伺いする中で「大切なワンちゃんがずっと着けるものだからこそ、良い素材のものを届けたい」というシンプルな想いが伝わってきました。そして良い素材を使うからこそ、手を抜かない製法で修理も承り、長く使ってもらいたい。その一本筋の通った製作へのこだわりから「ものを大切に使い続ける」という古き良き、そして真っ当な姿勢に改めて立ち返るきっかけになりました。インタビューを通して感じた藤田さんの実直さと、後藤さんの情熱。双方の信頼関係の上に成り立つ大量生産にはない温かさを、この記事をとおしてお届けできたらなと思います。

*Goto-tomorrow  Webサイト
http://www.goto-tomorrow.co.jp/

Interview,Writing,Photo :藤田理代(michi-siruve)
2015年10月5日取材

*このインタビュー記事は、2015年にWebマガジン「LABEL JOURNEY」で掲載していた記事を再編集したものです。

michi-siruve (みちしるべ)
“記憶”を綴じるZINE作家。「掌の記憶」を綴じながら、日本のまちを巡っています。>>詳しくはこちら
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