日本医療企画さんが発行されている病院経営者向けの月刊誌、最新医療経営情報誌『PHASE3(フェイズ・スリー)』。2020年6月号に寄稿させていただきました。
寄稿したのは「患者が語る理想の医療現場」という連載の第22回目。さまざまなご病気を経験された方々が、治療中に感じたことや医療現場への想いを綴ってゆくリレー連載だそうです。
編集者さんとやりとりを交わして執筆をはじめたのが、ちょうど緊急事態宣言が出た頃。「この文章が医療者のみなさんへ届くひと月後。世界は、日本は、そしてわたしたちはどうなっているのだろう」そんなタイミングで患者のひとりとして、医療者のみなさんにことばを届けることを想像しながら文章を書きました。
タイトルは「若いがん患者の心に届いた 師長さんのひと声、ひと触れ」。今からちょうど6年前、絨毛がんになり突然大切なものをいくつも失ったわたしの、“失った”という痛みに触れてくれた看護師さんとの記憶を綴っています。
6年越しのお礼の気持ちと、今医療現場で一人ひとりのいのちと向き合ってくださっているみなさんへの感謝の気持ちをこめて。この連載を機に、当時お世話になった外来化学療法室の師長さんにも雑誌をお渡しできることになり、6年越しのお礼の気持ちをこめて、お手紙を添えて病院へお送りしました。
最後の治療で外来化学療法室のドアを出る時「もうここには来ないぞって、後ろは振り返られないでね」と送り出してもらって6年。未だに疼く傷はあっても、師長さんのことを思い出すとやっぱり感謝の気持ちが勝ります。
今回寄稿にあたりバックナンバーも含めて読ませていただき、患者や家族とは反対側から見た景色やそのまわりをとりまくものを知ることも大切だなと改めて感じました。貴重な機会をくださった患医ねっと代表の鈴木信行さん、本当にありがとうございました。
雑誌はAmazonなどからもご購入いただけます。