2015-12-30

【Interview】森-温​(MORIHARU) 森田温子さん (2/3)

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失いたくない自然の美しさや、ふと感じる懐かしさ、わくわくしたい気持ちを描き続けるシルクスクリーンアーティストの森-温​(MORIHARU) 森田温子さん。サーフィンも愛する森田さんがよく訪れるという兵庫県明石市の林崎松江海岸で待ち合わせて、空と海の移ろいを感じながらじっくりお話を伺いました。

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#2 大きくて、でも脆くて変化してしまう自然を残したい。

── 次に作品について、森田さんの作品にある「波乗り」と「旅」というキーワードについてお伺いしたいです。

森田:旅は大学生の頃からでしょうか。海が好きで金沢の海辺でテントを張って寝たり、フェリーで北海道へ行ったり、青春18切符でも色んなところへ行きましたね。15年くらい前に沖縄の石垣、竹富、西表島と離島を巡ったこともあって、当時は秘境感が漂っていて、かなりカルチャーショックでした。旅に出て感じるのが文化の違い、あとは土の色や植物が全然違いますよね。同じ日本なのに土地の色も海の色も、住居にしても全然に違うんだと、南北に長く四季のある日本は不思議だなといつも刺激になります。

── サーフィンはいつ頃からはじめられたのですか?

森田:三木の盆地で山に囲われて育ったせいか、海にとても憧れがありました。高3の時に神戸にBEAMS BOYSができて、お店で出会ったPalm Graphicsさんのイラストが可愛いなと海のライフスタイルに憧れるようになりました。実際にはじめたのは2005年頃かな?スノーボード仲間に誘われたのがきっかけでした。和歌山にある磯の浦の海岸で友人に教わり、全然波に乗れなかったことで余計にはまってしまったんです。あとは2度目にいった高知の生見海岸の海がすごくきれいで、沖縄以外にもこんなきれいな海があるのかと、それがあまりにも気持ち良くて今も続けていますね。毎週行っていた時期もあったので、年何回くらいですかね。今は隔週程度ですが、真冬も含めて年がら年中ですね。

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── 旅もサーフィンも、体全体で感じるものですよね。初期の作品から、旅やサーフィンをテーマに作品をつくられていましたか?

森田:初期の作品は、シルクスクリーンでどんなことができるだろうかと実験を重ねていました。もっと好きなことを自由にやろうと思ったきっかけが、サーフアートでは有名なアンディ・デイビスさんの作品をみた時ですね。海外の方ながら描き方がフラットで、友達の家でポスターをみて「わぁ、すごいなぁ」って。絵を見るだけで、夕暮れがこんな色に染まるんだなというのが伝わってくるんです。影響は大いに受けていますね。

── その場で受ける感覚が、絵から伝わってくるというのはすごいですね。森田さんの旅やサーフィンでの体験は、どのように作品づくりに影響していますか?

森田:何か残したいんでしょうね、自分が見た景色を。例えば生見の海岸も、この何年かで何度も景色が変わっているんです。台風の影響で岩がむき出しになったり、逆に砂が戻ってきてきれいなビーチに戻ったり。自然はすごく大きくて、でも脆くて変化してしまう。だから残したいんでしょうね。その時見て、あの海はきれいだったなとか、あの時の波は最高やったなとか。海に入っている時にはカメラは持っていないので写真ではないですが、もし最初に自分が絵を描いていなくて水中カメラを持っていたら、写真にはまっていたかもしれませんね。

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── 逆に写真にはない、シルクスクリーンらしさや森田さんらしさはどんなところでしょうか?

森田:人生で影響を受けた作家さんの作品や、自分の好きなもの、色合いや描き方に日本的なものを入れて残したいという思っています。葛飾北斎や小倉遊亀など、日本画は立体的なものをフラットに描くのが面白いなと。あとは工芸的なものも好きで、藍染めとか刺し子とか、陶芸でも砥部焼とか沖縄のやちむんといった日本工芸が好きで、パターンや柄、外国にはない水玉といったものを絵の中に入れたくて。

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Interview,Writing,Photo :藤田理代(michi-siruve)
2015年9月13日取材

【Interview】森-温​(MORIHARU) 森田温子さん (3/3)

*このインタビュー記事は、2015年にWebマガジン「LABEL JOURNEY」で掲載していた記事を再編集したものです。

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michi-siruve (みちしるべ)

ZINE作家。“記憶”を小さな本に綴じています。「掌の記憶」豆本詩集『汀の虹』など。>>詳しくはこちら

Exhibition

2017  三条富小路書店(12/5-17)
2018 『汀の虹』展示 @blackbird books (1/16-28)

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