【Report】#ミニアトリエ「わたしの好きな本」ZINEワークショップ

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2015年11月23日(月)伊丹のブックランドフレンズさん主催「 はじめてのZINEづくり 」~わたしの好きな本~の講師として、ZINEづくりのワークショップを行いました。

本屋さんで、本(ZINE)をつくる。この面白い試みは、いつもmichi-siruveの作品に共感して応援してくださっていた伊丹の“マダム”こと、いたみタウンセンターの村上有紀子さんのご紹介で出会ったブックランドフレンズ の店長 河田秀人さんからのお声がけで開催に至りました。

今回のテーマは「好きな本」。自分の好きな本を5冊を選び、その本に対する想いを綴じる。というシンプルな体験をとおして、自分の人生や価値観、大切なことを見つめなおし、共有できたらいいなというものです。ワークショップのレポートの前に、告知の際の河田さんからのメッセージからご紹介しましょう。

本をつくるということは 究極のアウトプット
自分は何が好きなのか 何を大切にしたいのか
伝えたいことを写真や文字で表現しようとすることで
自分に秘めているものを知ることができます
ちょっと恥ずかしいことかもしれません ずっと仕舞っておきたいかもしれません
でも自分と等身大の本を誰かがみたとき 愛しくおもってくれるのです
そんな1冊をつくってみませんか

ワークショップの内容としては、持ち寄ってくださった好きな本の写真と本への想いを和紙に印刷して、和綴じで綴じるというもの。今回は少人数制で、参加者お一人ずつZINEのページ構成や入れる言葉、フォントを相談しながらパソコンでZINEを編集して、印刷して綴じるという形にしたことで、よりいっそう綴じ手の個性がでる作品が生まれました。

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ZINE『わたしと本』
ワークショップの告知にあたり、河田さんが見本として綴じたZINE。選ばれた本の写真に、河田さんの「本」に対する想いが非常にミニマルに添えられています。大切な本やことばを選ぶという行為は、自分の中にある膨大な記憶の中から探し、選び、捨て、磨いていく行為です。ワークショップにあたり、この磨き上げられたZINEの存在は、参加者の皆さんのみちしるべになったことと思います。「本はわたしを引き出す」ということばからはじまり「わたしは本を引き出す」で綴じおわる構成には「さすが!」の一言です。

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続いて、今回のワークショップで生まれたZINEをご紹介します。

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ZINE『ことのは』
思い入れのある本と、その本でも一番大切にされていることばを添えたZINE。お気に入りのカフェに本を持ち込み撮影されたというお写真がとても雰囲気があって、本の表紙という無機質なものがとても良い空気を纏っていました。写真に添えられたのは、本に詰まった膨大の活字の中からから選び出された、とても短いことば。余分なものがそぎ落とされた写真とことばの世界観にすーっと惹き込まれ、導かれるもののある一冊でした。

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ZINE『私の大切なキモチ』
「本はいつも大切なことを教えてくれます」というメッセージからはじまるZINE。思い入れのある本と、その本から感じた大切なキモチが綴じられています。本と出会い、読むという経験を通した綴じ手の心の動きが伝わってきて、読みながら一緒にワクワクしたキモチになる一冊となりました。今回唯一の縦型ZINE、フォント選びや綴じ紐ののこし方などにもこだわりが光っていました。

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ZINE『わたしのなかの詩』
今までの人生で出会ってきた大好きな詩のひとかけらに、あるご友人と交わした写真たちを添えたZINE。はじめて詩に出会った小学3年生から、中学、20代、30代、40代と、それぞれの年代で出会った詩が続きます。詩のひとかけらに綴じ手の時の流れと思い出の写真が重なることで、その人の人生の歩みに少しだけ触れられるような、そして写真を交わされていたご友人の存在も感じることのできるとまたもう一つの物語を感じる、特別な一冊になりました。

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ZINE『nibanmeni iitaikoto』
大切にされている詩に、手元にのこっていた写真を添えたZINE。いくつかあった大切な詩の中から一つに絞り、ご自身で撮影された写真を添えることでぐっと伝わるものが増しました。この日に偶然居合わせた写真たちで構成されているとは思えないほど、ことばの力を引き出す写真の組み合わせで、一ページに一文ずつという構成にすることで、ことばと余白を感じながら読みすすめることのできる味わい深い一冊になりました。

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16PのZINEをつくる。そんなシンプルなワークでも、個性や人の生きてきた感性、価値観が浮かび上がり、私自身改めて刺激をいただいた時間でした。ZINEが完成したあとは、河田さんの美味しいコーヒーをいただきながらZINEを読みあったり、感想を伝えあったり、振り返ってみたり。ZINEづくり、という一つのワークをとおして、自分を振り返り、そして共有するという豊かな時間になりました。

それもこれも、参加してくださったみなさん、主催してくださった河田さん、そして出会いのきっかけを創ってくださった村上さんのおかげです。本当にありがとうございました。このようなご縁を大切に、これからも「人の記憶を綴じる」活動を続けていきたいと思います。最後に今回参加してくださったZINEの作者のみなさまの素敵な笑顔をご紹介します。

皆さま、素敵な出会いを、ZINEを本当にありがとうございます。

さて、年内に予定しているmichi-siruveのワークショップは残すところあと一つ、11月29日(日)さつきやま森のようちえんで青空事務所のなおみさんと開催する「あなたの一冊『母のまなざし』をつくろう。~ “まなざし”を綴じる、和綴じZINEのワークショップ~です。

家に眠っているご自身の成長が記録された写真を一冊のZINEにしていく過程で、ご自身の生きてきた軌跡やご家族に育ててもらった記憶を振り返り、家族と再共有する一冊をつくります。年末年始、ご家族で集まる際に皆で眺めると、きっと豊かな時間になるのではないかなと思います。まだお申込みいただけますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

「掌の記憶」も2015年は柏原と富山で綴じおさめ。2015年も残りわずかですが、2016年も引き続き、人の生と向き合うZINEづくりのお手伝いを続けていきたいと思います。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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