ZINE『心友たち』(2022)

心友たち』(2020)

『心友たち』(2022)

今までの人生で出会った「心友たち」との出会いの記憶を贈る手製本。2020年に3冊組、34人の出会いの記憶を綴じた『心友たち』の続編、第4巻です。

和紙で制作した手製本にあとがきを仕舞った封筒を仕舞い、ひとつの贈り物にしています。

memo
□ 封筒におさめたあとがき
□ 作者のひと添えで仕上げる
□ 3冊組の続編

data
210mm×150mm/54ページ
洋紙・和紙/和綴じ(康煕綴じ)
2022年12月31日発行
綴じ 藤田理代 (michi-siruve

2014年の春から、ほぼ毎月お一人ずつ。「心友」との出会いの記憶を文章に綴り、心友のみなさまへメールでお送りされていた「心友出会い紹介」。その心友たちとの記憶を手製本に綴じ、心友お一人おひとりへ贈りたいというご相談をいただき、2020年1月に3冊組の手製本をお贈りしました。

初版の3巻セットをお贈り間もなく、感染症の流行により暮らしが一変しました。わたし自身も暮らしに変化が生まれ、以前のような制作が難しくなりました。それでも『心友たち』はmichi-siruveに……とご依頼いただき「期限のないお約束」という形でお預かり。かなりお待たせしてしまいましたが、こうして何とかお約束を果たすことができました。

3巻セットに登場した34人の心友のみなさんと、今回登場した11人の心友のみなさん、そしてこれから出会う心友のみなさんのために全部で55冊。

お一人ずつの原稿を紙面に浮かべて校正し、約1,400枚の和紙に印刷。1枚ずつ手で折り、ページごとにアトリエのラグ一面に並べて丁合してゆきます。

紙問屋さんから届いた500枚ずつの真っ白な和紙の束が印刷機を通り、記憶の地層として積み上がったり、記憶の海のよう一面に広がったり。そんな風にアトリエのなかで何度も形を変えながら1冊の手製本へと生まれ変わってゆく時間が、製本のなかでも一番好きな時間です。

その後、1冊ずつ表紙でくるんで、糸で綴じ、封筒に仕舞われた著者の「あとがき」を添えて綴じ手の作業は完了。著者の方へお贈りできました。

2020年の初版で本のまえがきを寄せてくださったのは、著者の大学時代の恩師でもある上野千鶴子先生。上野先生がこの手製本について紹介してくださったブログに、本に添えられたまえがきの文章も綴られています。

続編でも引き続いて「まえがき」でもあるこのことばのご紹介を添えて、2022年の制作の記録とさせていただきます。

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