今年からお手伝いをしている、宝塚のまちの映画館「宝塚シネ・ピピア」で開催される市民映画祭「宝塚映画祭」では、10月12日以降の毎週土曜日、宝塚シネ・ピピアの夜のレイトショー枠を借りて「映画を観る以外のことをする」イベントを実験的に開催します。
そのうちの1つが10月19日(土)20:15~開催する「みんなが撮った町の写真を映画館で観る会」。宝塚市内で撮影された写真をタイトル付10枚1組で、1枚約5秒間ずつ映画館のスクリーンでひたすら流していくという企画で、宝塚にゆかりのあるゲストとして、ピアニストのma-saさんと写真家のキリコさんをお招きしての、生演奏付スライド上映+トーク付の素敵な上映会です。
せっかくだから私も作品応募をしてみようとカメラを片手に向かう夜の宝塚。写真1枚あたり5秒間スクリーン上に流れるのであれば、町の5秒間をおさめた写真も面白いかもしれないと、シャッター速度を5秒に設定して車窓へ。阪急宝塚線の雲雀ケ丘花屋敷駅から宝塚駅まで、5秒間ずつひたすらにシャッターを切り続けてみました。電車が揺れればブレ、ホームを通過すればどんどん光が溜まる。写真としてはまぁひどいものだけれども、いつも何気なく眺めている車窓、同じ5秒でも電車の速度や外の景色でまったく違ったものになり、改めて「流れている時間に同じものは1つとしてない」という当たり前のことを、目に見える形で感じることができました。レンズを通したものはすべて記憶する、という写真の誠実さも再確認しました。
そしてこの写真が流れるであろう、いつも映画を観るたびに眺めている劇場スクリーンを思い返してみると、映画の5秒間というのは必ずしも間隔の等しい5秒間ではないなと。過去や未来にポンと飛んでみたり、シーンによってはコンマ0秒単位の時間の流れに変わっていたり。そんな映画の生み出す自由な時間と、一方で写真が記録する誠実な時間。その違いも感じながらスライド上映を体験するのも面白いかもしれません。
ちなみに「みんなが撮った町の写真を映画館で観る会」は10月6日まで上映作品も募集中ですので、ご応募も是非!お待ちしています。