【Report】母校企画展「記憶の華」

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母校企画展「記憶の華 -kioku no hana-」レポート

2016年7月1日~2日の2日間、母校でもある西宮市立西宮高等学校の文化祭で「記憶の華-kioku no hana-」という展示をひらきました。

母校展示について、高校3年生の時のクラスメイトでもあり、湘南で画家としてAddBlueの屋号で活動する中川裕賀さんからお声がけいただいたのは4月中旬のこと。文化祭で毎年開催されている卒業生展示の会場で、もっと在校生との交流も生まれるような企画を若いOBG主導で考えてもらえないか?と、先生から相談を受けているので何か一緒にどう?というお声がけでした。

西宮の市立高校は2校のみということもあり、異動が少ないので当時お世話になった先生もたくさん残っていらっしゃるとのこと。それであれば、お世話になった先生方と在校生のみなさんに同級生作家2名の高校卒業後14年間の軌跡を報告するような企画展のかたちにして、「卒業後のキャリア」の軌跡を見つめながら在校生のみなさんの学校生活や進路の相談などゆるくできる場にできたらどうだろう? 

在校当時にお世話になった学年主任の先生に相談をしながら、卒業生展示の教室の半分をお借りして「記憶の華 -kioku no hana-」という企画展を試みる運びとなりました。

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今から14年前、私たちは同じ教室で机を並べたクラスメイトでした

人の“心”を描いた絵を贈る AddBlue 中川裕賀
人の“記憶”を綴じた小さな本を贈る michi-siruve 藤田理代

高校時代の記憶が宿る母校の教室に再び集い
卒業後14年間の歩みの中で生まれた作品と
創作を通して出会った人々と咲かせた「記憶の華」を展示します

創作の種を育んでくれた母校に 記憶の華を咲かせる2日間
ぜひあなたの記憶も重ねにいらしてください

西宮市立西宮高等学校 第55回生  AddBlue 中川裕賀 michi-siruve 藤田理代

この言葉をもとに、母校の教室で机を使って2つの円を描き、2人の卒業生が14年間で制作した作品を並べて軌跡を描いた「記憶の華」を1輪ずつ作りました。AddBlueは「絵」を通して人と関わってきた制作活動の軌跡を。michi-siruveは「手製本」を通して人と関わってきた制作活動の軌跡を。

黒板には、二人が創作活動を通してこれまで出会った人たちから「高校生へ贈る言葉」を預かり掲示しました。ファッションデザイナー、グラフィックデザイナー、造形作家、菓子職人、和裁士、骨董店のオーナー、エコツアーガイド、カフェオーナー、会社員、フリーランス……二人が関わってきた国内外のさまざまな働き方、生き方をする人たちからのメッセージが並び、言葉を通してさまざまなキャリアを知ることができるエリアになりました。

AddBlueの展示

michi-siruveの展示

Eiko Kobayashi Branding Project

中川さんと一緒に関わったブランディングプロジェクトの展示。
(Direction,Illustration:AddBlue/Photo,Web:michi-siruve)

展示がはじまるまでは「分刻みで出演や観劇の続く文化祭の忙しい合間に、接点のない卒業生の展示を見に来てくれる人はいるだろうか?」と不安もあったのですが、先生方が熱心にアナウンスしてくださったこともあり、懐かしい先生や卒業生の方々、興味を持ってくださった在校生や保護者の方々、市西に進学を考えているという地域の中学生や親御さんなど、本当に多くの方々が教室を覗きにきてくださいました。

14年前と変わらずまっすぐな言葉で向き合ってくださる先生方、古いものが好きだと熱心に見てくれた女の子、部活の後輩にあたるバスケ部の男の子、進路に迷う中で視野が広がったとメッセージをくれた女の子、作家活動に興味があると夢を語ってくれた女の子、高校でも部活を続けたいが大学受験の勉強と両立ができるか迷っていると相談してくれた中学生の女の子、高校生への手紙を1通ずつ読んでくださっていた方々。

14年前の先生が載っている思い出の卒業アルバムに高校卒業後の軌跡を振り返りながら記憶を重ねた「14年の軌跡」も在校生に大人気で、先生方の懐かしい写真を見つけておおはしゃぎ。皆走り去っては友達を連れてきての繰り返しで、所属している部活や当時の服装の話などから話も広がり、とても微笑ましい光景でした。

本を持ってきた私と、手にとった在校生の子たちの間で1冊の本から生まれるコミュニケーションの力。学校の教室という場だからこその卒業アルバムという本の強度を感じ、誰が、どこで、どんな風に手にとるかによって変わる本の力の可能性も感じました。

そして何よりも「記憶の華」として、かつてのクラスメイトでともに運動部マネージャーとしてこの学校で青春時代を過ごし、大学進学、企業への就職を経てフリーランスに。人の心や生きることをテーマに創作しているという共通点を持ちつつも、絵を描くことと言葉と写真で綴じることという表現方法の違い、感性や人との関わり方も含めてコントラストもある中川さんとの展示は相乗効果や気づきがあり、1人では絶対生まれ得ないものがたくさんのこりました。

最後になりましたが、今回14年ぶりにふらりと訪れた卒業生をあたたかく迎え、新しい試みを応援してお力添えくださった先生方に、14年越しのささやかな感謝の気持ちをこめて、レポートの結びとさせていただきます。

掌の記憶」の初展示としても、懐かしい記憶の宿る母校の教室で開催して手製本を手にとっていただけたことも本当に嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。今回いただいたたくさんのものを抱きしめ、向き合いながら、本を贈ることを通して一人ひとりの“大切”そして生きることと関わり続けていきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

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展示終了後、在校当時にお世話になった先生方、一緒に展示をした同級生の画家 中川裕賀さん(中央左)と。

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