豆本詩集『汀の虹』から生まれた2つの抒情歌。
※企画展「ホスピタルアート in ギャラリー」(2022)展示作品
「みちしるべ」
『抒情歌』
うた【歌】:感情の起伏を伴いながら、口を衝いて出てくる、リズムやメロディーを持つ言葉。(新明解国語辞典:第八版)
理代さんの深いところから「いえない(言えない・癒えない)いたみ」が、言葉になってこぼれてくる。その言葉に揺られた「なにか」が、僕の中から歌になってあふれ出てゆく。
ああ、そうか、そういう事なんだ・・・。
2022年 秋 儀賀 理暁
『汀の虹』
―「汀の虹」 豆本詩集『汀の虹』―
詩 藤田理代(編 儀賀理暁)
作曲 儀賀理暁
抒情歌/2022年9月1日
歌詞
目の前に広がる
青い海の
静かに届く
果ての波
透き通った
その揺らめきに
時折浮かぶ
虹色の煌めき
寄せてはかえす
波音とともに
屈して
折れて
生まれる光
どんなにかなしい
揺らめきも
いつか虹色に変わる
と願いながら
雨上がりの虹は
いつも遠くて 欠けていて
すぐに消えて
なくなって
大抵のことは いつまでも
境界を漂ったまま
いつかの海で
見つめた汀
寄せてはかえす
波音とともに
屈して 折れて
微かに浮かんだ
虹の色
どんな揺らぎも
陽をあてて
汀の虹に変えてゆこう
変えてゆこう
煌めく虹に
『ココロイシ』
―「石を拾う」 豆本詩集『汀の虹』―
詩 藤田理代(編 儀賀理暁)
作曲 儀賀理暁(編曲 儀賀柚奈)
抒情歌/2022年8月7日
歌詞
どうしようもなくふさぎこむと
海辺まで石を拾いに出かける
掬い上げるといろんなこと
そっと語りかけてくる
これはきっといつかの心
あれはきっとあの人の心
自分だけの色とかたちを見いだしながら
いつまでもかたちを かえながら
波打ち際に沈む石は
削られ 砕かれ転がりながら
痛々しいほど傷だらけ
それも過ぎればまんまるに
これはきっといつかの空
あれはきっとあの人の花
自分だけのココロイシを探していたら
いつの間に私が 探されてた