【Report】埼玉医科大学 次世代のがんプロフェッショナル養成プラン 2025年度 第1回緩和ケアセミナー登壇

2026年1月、埼玉県川越市にある埼玉医科大学総合医療センターで開催された「埼玉医科大学 次世代のがんプロフェッショナル養成プラン 2025年度、第1回緩和ケアセミナー ~ケアの流儀を探しに~」にて、がん経験者として体験をお話しました。
お声がけくださったのは、これまでもフェリス女学院大学での講義や「ホスピタルアート in ギャラリーⅣ」の展示やトークセッションなどさまざまな場所でご一緒してきた、そして『ココロイシ』『汀の虹』の音楽やZINE『掬することば』緩和ケア医の儀賀理暁さん。
儀賀さんの緩和ケア医としての“ホーム”でもある埼玉医科大学総合医療センターでご一緒するのは、2024年の「地域緩和ケア講演会」以来ですが、その時も含めてこの2年で医療者のみなさんからいただいた「宿題」のような問いをみつめながら、2026年の今のわたしの精一杯でお伺いしました。



講演会の枠組みが異なるため、大きなテーマは前回と同じ「患者が「いえる(言える・癒える)」助けとなる関わりとは」 にてご依頼いただきましたが、副題は前回とは異なり 〜AYA世代で希少がんを経験した患者を支えてくれた 専門職のあり方について〜 にとなりました。
がんという、大切なものを突然に失う体験の中で「いえなかった(言えなかった・癒えなかった)」患者としての体験と、周囲の助けを得て「いえる(言える・癒える)」ようになった12年あゆみについて。
ベースとなる体験談は各地でお話している内容ですが、その体験を通して「専門職のあり方」をともに考えるという副題は今回初めて掲げたものでしたが、今回もゆったりとした時間をいただき、いつもよりも丁寧に体験を紡ぐことができました。
記録として、お話で使用したスライドも一部こちらに置いておきます。
スライドの一部はこちら









今回の講演では体験談は導入として、その後はじっくりと参加者のみなさんとの「質疑応答」をこえた深い対話を重ねる時間をとるという構成でした。
「あり方」をともに考える。そんな答えのないテーマを考えるためのみちしるべにしたのが、スライドの最初と最後にも入れていた、儀賀さんから以前教えていただきずっと手に持っていた「聴す(ゆるす)」ということばでした。
「聴く(きく)」という行為は「聴しあう(ゆるしあう)」ということが成立した時に、微かにそこに存在するもの
緩和ケア医である儀賀さんのこのことばと、わたしのがん患者としての体験を静かに手渡してからの質疑応答の時間だからこそ、患者が一方的に語り医療者が一方的に聞くという平行線の講演ではなく、お互いの想いを持ち寄る時間を共有することができたのかなと思います。
一つひとつのご感想やご質問、教えていただいたことは参加してくださったみなさんとのものとして心の中に留めますが、一つだけ、とてもうれしかった忘れられないことばがあり、ここに綴り残したいと思います。
それはある専門職の方からの質疑応答の中で「この病院の中で、質問者さまにとってご自身の職種はどんな存在ですか?」とお尋ねした時に伝えてくださった
病院の中で一番やさしい存在でありたい
ということばでした。
それはまさに、わたしの講演をきいてくださっていたその質問者さまのあり方そのもので、30分間の講演の間ずっと、広い講堂の端っこで話していたわたしに確かに届いていたあり方でもありました。
「患者の話を聴く」という行為しかできない講演の時間のなかで、その「やさしさ」を「相手に伝わるように伝える」という行為は、きっとその方が日々目の前の相手を想いながら、自分のからだとこころを精一杯使うというあり方を大切にされているからなのだろうなと感じました。
そんな素敵な専門職の方に出会えたことがうれしくて、何よりもわたし自身が「あり方」のひとつのかたちを教えていただいた時間でもありました。そのような忘れられない時間をご一緒させていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
年初めの寒い夜にお越しくださったみなさん、会の企画運営をしてくださったみなさん、声をかけてくださった儀賀さん、本当にありがとうございました。
またどこかでお会いできることを願いながら、これからもよろしくお願いいたします。
