2013-04-07

“大切にしているもの”を見つめるワークショップ

ワークショップの道具と素材(2018)

はじめまして。今回幸ハウスで開催する「“大切にしているもの”を見つめるワークショップ」で手製本の講師を務めるZINE(ジン)作家の藤田理代と申します。

普段は大阪で、身近な素材や道具を使って自由につくるZINEの制作を通して、“大切な記憶”や“家族の記憶”をかたちにのこして交わしてゆく展示やワークショップをおこなっています。

今回縁があり、幸ハウスさんでのワークショップを担当することになりました。私自身、4年前に29歳で絨毛がんを患い流産と手術、抗がん剤治療を経験しています。同時期に祖母を亡くし“祖母が大切にしていた暮らしの品”と“そこに宿る家族の思い出”を綴じた本の展示をしたことから、本づくりを通して人の想いや記憶をつなぐきっかけづくりを続けています。

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展示「KONO flower FES」(2017)

「あなたが“大切にしているもの”は何ですか?」

この1つの問いかけで、あなたの心に思い浮かぶものはありますか?最初は中々、すぐには思い浮かばないかもしれません。

思い浮かべるための道標に、私が今まで本に綴じてきた“大切な記憶”をご紹介すると……たとえばがんが判る直前にはじめて制作した『母のまなざし』(2013)は、母が長年撮りためていた家族写真に娘の“声”を添え、子育て30年の節目に母へと贈り返したZINE。 押入れに眠っていたアルバムにのこされた“大切な記憶”を綴じなおしたものです。

次に制作した『かぞくのことば』(2014)はがん闘病を支えてくれた家族から治療中にもらった言葉を一人一言ずつに写真を添え、寛解の節目に贈ったZINE。治療中は言葉にできなかった“患者の心の内”を、感謝の気持ちとして贈りました。

続いて制作した『otomo.』 (2014)は他界した祖母が大切にしていた“暮らしの品”を撮影し、そこに宿る“家族の思い出”を聴いて綴じたZINE。それが依頼主の“大切な記憶”を豆本におさめて贈る「掌の記憶」(2015)という活動へと広がっていきました。

昨年制作した豆本詩集『汀の虹』(2017)は、がんになってから3年間の“心の変化”を28篇の詩にしたチャリティーブック。どれも私が“大切にしているもの”を見つめなおすために本に綴じました。

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ZINEワークショップ(2015)@さつきやま森のようちえん

そして今回皆さんに体験していただく「“大切にしているもの”を見つめるワークショップ」は、幸ハウスさんの「患者さんが“大切にしているもの”を大切にする」という想いから生まれたワークショップです。皆さんの“大切にしているもの”を身近な素材や道具を使って本に綴じ、見つめなおし、交わしていきます。

「わたしが“大切にしているもの”って何だろう?」

まずは過去から現在を振り返り見つけた“大切にしているもの”を6つと、これから先自分が“大切にしたいもの”を1つ。全部で7つを1冊に綴じます。サンプルブック『12406』では目安として、7年ごとに1つずつ選んでいます。年数を区切ると選びづらい方は、選びやすい方法でお選びください。7つより少なくてももちろん大丈夫です。

今回はワークショップの中でも一番簡単な入門編。2時間にぎゅっとまとめた体験版です。自分の手で「本を綴じる」という体験。そしてあなたの人生を静かに振り返り、言葉や写真や絵にして見つめなおす体験。そして綴じた本を読み返したり、誰かと交わしたりする体験がこのワークショップにつまっています。講師の私は、そのお手伝いをする人。皆さんの“大切にしているもの”を通して人生を見つめなおし、これから先の人生を考えるためのみちしるべを探すお手伝いができることを、たのしみにしています。

最後にZINEの良いところは“自由なところ”。やらなければならない、こうでなければならないということは1つもありません。逆にワークショップの中でやりづらいこと、やりたくないことが出てきた時は、無理のないようにたのしめるかたちを一緒に探していきましょう。よろしくお願いします。


サンプルブック『12406』(2018)

今回つくるZINE
全ページがうっすらと透ける袋になった小さな手製本『yohaku(よはく)』のB6変形判(縦130mm×横182mm)20Pをベースに、綴じを簡単にしたワークショップ仕様のものを製本。それぞれのページに好きな色の本文用紙を選んで“大切にしているもの”を書き綴り、袋の中におさめます。

おさまるものは、縦128mm×横160mmの範囲のもの。写真であればL判の縦横どちら向きでも、ポストカードも横向きなからすっぽりおさまります。全ぺージが袋になっているので、押し花や折り紙、封筒に入ったお手紙など厚みのあるものもおさまります。


本の構成(一例です)

P1 表紙(白紙 or 表紙用色紙 or 写真などおさめたいもの)
P2 表紙の裏側(白紙or 写真などおさめたいもの)
P3 扉ページ(物語のはじまりの一言 or もくじ or 写真などのおさめたいもの)
P4 大切なもの① (余白や写真、イラスト、ことばなど)
P5 大切にしているもの① 
P6 大切にしているもの② 
P7 大切にしているもの②
P8 大切にしているもの③
P9 大切にしているもの③
P10 大切にしているもの④
P11 大切にしているもの④
P12 大切にしているもの⑤
P13 大切にしているもの⑤
P14 大切にしているもの⑥
P15 大切にしているもの⑥
P16 これから先、大切にしたいもの⑦
P17 これから先、大切にしたいもの⑦ 
P18 奥付(本のタイトル、作った人、作った日など)
P19 裏表紙の裏側(白紙 or 写真などのおさめたいもの)
P20 裏表紙(白紙 or 表紙用色紙 or 写真などのおさめたいもの)

>>サンプルブック『12406』(2018)


お持ちいただくもの
・今までの人生を振り返って、6つの“大切にしているもの”と、これから先“大切にしたいもの”1つをあらわすをことばや写真や絵をお持ちください。選びきれない時は無理に選ばすに多目にお持ちください。綴じながら一緒に考えましょう。
※写真をおさめる場合は、L判サイズの大きさのものが理想です。上記の本のサイズにおさまる範囲でお持ちください。表紙などにも写真や絵など入れる場合は多目にお持ちください。写真がなくてももちろん大丈夫です。

・ことばや絵を描いたり、彩りに必要なペンやマスキングテープなどの文房具。(こちらでも文房具やテープ、色紙などの準備はありますが種類が限られています。ご自身のイメージにあうものがあればぜひお持ちください)

サンプルブック『12406』(2018)

ワークショップの流れ

①ZINEづくりについて、自己紹介
講師からZINEづくりの簡単な説明をしたあと、皆さんと簡単な自己紹介を予定しています。

②綴じ糸を選び、製本する
「綴じ糸」×「表紙用の色紙」×「本文の紙」が数種類あります。お好きなものをお選びいただき本を綴じます。

③本の中身をつくる
中におさめたい“大切にしているもの”を書き綴っていきます。

④自分で読む。読みあう
完成したら、まずはご自身で。もし良ければ、皆さんで交換して読みあい、触れあいましょう。

⑤振り返り・おわりに
以上で体験ワークショップは終了です。当日は他の種類の手製本もたくさんお持ちしますので、質問などあればお気軽にお声がけください。当日お会いできることをたのしみにしています


講師プロフィール
ZINE作家 藤田理代 (詳しくはこちらへ)

MBS「Catch!!」(2017)@ベランダ長屋

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Schedule

Exhibition
掌の記憶」「汀の虹」 (11月 兵庫県にて)

Workshop
ZINEワークショップ(5.27 静岡県にて)

Event
店さきモノヅクリmarket (5.13 阪急服部商店街にて)

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