【Report】「記憶を綴じる、手づくりの本」展

tojiruten2016

「記憶を綴じる、手づくりの本」展レポート

体調を崩してすっかりお礼が遅くなってしまいましたが、2016年11月20~27日まで兵庫県伊丹市のシェアオフィスベランダ長屋さんで開催した「記憶を綴じる、手づくりの本」展、無事終了いたしました。会期中は本当にたくさんの方々がお越しくださり、本とお客さまと共に濃密な7日間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

ZINE作家として最初に制作した“忘れていた記憶”を綴じた『母のまなざし』からはじまり、“心の中を見つめて綴じた”最新作の『ココロイシ』まで。ただひたすらに綴じ続けてきた、装丁も中身も様々な手づくりの本を時系列に並べただけの展示。結果的にはその足跡をそのまま自分自身も振り返る展示となり、大きな節目となりました。

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セレクトはかけたものの、結果的に40冊以上。にもかかわらず皆さんそれぞれに手にとりながら読んでくださり、その様子を眺めたり、背中越しに微かに感じたり。毎朝オープン前に本を整えていると、日が経つほどに少しずつ手にとった人の跡が刻まれ馴染んでいく本の変化が嬉しくて。展示後改めて読み返すと、誰かの涙の跡で滲んでいたり、1冊きりのその本が改めて宝物になりました。

展示していた大半の本は、がん闘病や震災、身内との別れなど、自分自身の喪失体験や死生観がもとになっています。生きていくために綴じ続けたとても個人的なものばかりなのに、その本に涙を落してくださった方がいるというその確かな跡に、綴じ手の自分が救われたところもあります。

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展示中はお話や様々なメッセージを通して、本当にたくさんの言葉をいただきました。その中から一篇。あるお客さまがココロイシにこめて残してくださった一番心にのこっているメッセージを、“2016年秋の私”をあらわす展示の記憶としてここに記させていただきます。

他にもこれからの活動のみちしるべとなるようなお言葉をたくさんいただいています。一つずつ振り返り向き合いながら、時間をかけて記していきたいと思います。お越しくださった皆さま、そして今回の展示を主催してくださり、様々な形でサポートしてくださったベランダ長屋の皆さま、本当にありがとうございました。これからも、やはり私は死ぬまでずっと手づくりの本を綴じ続けようと改めて思った7日間でした。相変わらずマイペースな活動が続きますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

ZINEをみて
「今を生きる」というワードが
浮かびました。

やわらかで
あたたかくて
変形しながら
続いていく。
すべてがつながっている。
動いた先には必ず何かがある。
根っこの部分は
誰にもわからない。

芽が出たときには
笑ってはいるけれど。

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