2016-11-29

ZINE『ココロイシ』

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『ココロイシ』(2016)

波打ち際で拾い集めたハート形の石を隠し扉のついた本におさめ、心の奥に沈んだ記憶を綴じこめたZINE。

□ 心の奥に沈んだがん闘病の記憶
□ 石の中/ページの中に綴じこめる
□ 本を使った記憶の整理と共有

data
176mm×130mm
和紙・和綴じ(本文片観音)
オールカラー162ページ
2016年11月20日発行
写真・文・編集 藤田理代 (michi-siruve)

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このZINEは、わたしが絨毛がんに罹患して、丸2年が過ぎた節目に綴じたZINEです。

心の奥に沈んだままのような、がんに罹患してからの日々の記憶。その時々の感情を、一つずつことばにして、それぞれ1ページにおさまる範囲のことなにして綴じこめています。

「言葉にできていないもの」をたぐり寄せる道しるべにしたのが、整理のつかない心を落ち着けるために、海辺で拾い続けていたハート形の石でした。一粒ずつ表と裏を撮影し、本ページの表裏に置き、石一粒ずつ思い起こされる記憶を石の中 ― つまりは本の観音ページの内側に閉じこめていく。

歪で重たい感覚をあわらしたくて、不自然なほど膨れ上がるように。ページ数を考えると、このボリュームには相応しくない綴じ方なのですが。この不相応で歪で、柔くてボロボロになっていくつくりが相応しいように感じています。全ページ片観音になっていて、パラパラとめくると石の中にうっすらことばが透けている状態。本をぐっとひらくと、石の中のことばに触れることができます。ことばのない石もあれば、本を読んでくださった方のことばがおさめられた石もあります。

ページの中に言葉を収めることで、少し距離を置いて眺めたり。ZINEを人と人の間にそっと置いて、余白のページに読み手の心に沈んだ記憶も挟みこんでもらったり。1冊の本に人の心をどんどん綴じ重ねながら、膨らみ、馴染み、見知らぬ誰かの涙のあとまでもが重なっていくそのZINEに、本というかたちの「抱く力」を再確認しました。

『ココロイシ』の石のなか

どうしようもなくふさぎこむと
海辺まで石を拾いに出かける

波打ち際に沈むハートの石は
その土地土地で長い年月をかけて
砕かれたり削られたりを繰り返しながら
自分だけの色やかたちを見いだして
掬い上げると色んなことを語りかけてくる

持ち帰った石を一粒ずつ見つめながら
自分の心の奥に沈む記憶を手繰り寄せるうちに
石の中におさめて本に綴じるようになった

石にココロをおさめる“ココロイシ”
おさめたり 眺めたり 手放したり
波打ち際の石のように
いつまでもかたちを変えながら

(ココロイシ 序文)

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