2020年7月、金城学院大学 人間科学部 コミュニティ福祉学科の「現代社会問題」のゲストスピーカーとして、オンライン講義でお話する機会をいただきました。
声をかけてくださったのは、2019年も同じ講義でゲストスピーカーの依頼をくださった金城学院大学の橋川健祐先生。学生時代、関西学院大学 社会学部 社会福祉学科で社会福祉を学んだ同級生でもあります。
コミュニティ福祉学科では、社会に積極的に参加し、多様な地域住民とともに、すべての人々が幸せに暮らすことができる社会をつくる一人に育って欲しいという想いから「ソーシャルウーマン」ということばを掲げ、さまざまな教育や実践の場を提供されているそうです。
そして、ご依頼をいただいた橋川先生の「現代社会問題」という講義は、身近な生活と社会問題に行政はどう関わってるのか、どんな課題やジレンマがあるのかということをさまざまな当事者の方の声も実際に聴きながら考え学んでゆくというカリキュラムだそう。そのなかで、わたしは若くしてがんを経験したひとり、つまりはひとつの社会問題の当事者として感じてきたことをお話をしました。
昨年に引き続きではありましたが、コロナウイルス感染症の流行で日常が大きく変わってしまった2020年。大学も大きな変化にあるなか、オンラインという形で今年も学生のみなさんへお話することになりました。まずは昨年お話した内容と学生のみなさんお一人おひとりからいただいたメッセージを読み返しながら、今何をお話ししたら良いのだろうかと構成を考なおすところからのスタートでした。
まずはある日突然、若くしてがんの「当事者」となった一人として感じたこと、困難であったこと。そして社会全体に視野を広げて、課題に対してさまざまな職種や立場からの取り組みや協働があること。そして、また一人の当事者として、わたしが病院や地域で続けている実践について、コロナ禍に病院のスタッフさんから依頼を受けて行った協働なども、病院から事前に許可をいただいたうえでお話ししました。
講義は事前収録という形式であったため、昨年のように学生さんと直接お会いすることはできませんでしたが、この講義は金城学院大学以外にも明治学院大学、立正大学、立正大学、東海大学の共同オンライン講義として活用されるとのことで、それぞれの大学の先生が収録時に聴講してくださりお話を伺うする機会にも恵まれました。
学生のみなさんもオンライン講義ということで、移動に追われる教室での聴講よりもじっくり視聴できたのか、丁寧に編まれたご自身のことばで感想や質問を寄せてくださいました。質問の答えをお一人ずつ考えながら、自分が伝えたことばが相手にどう伝わったのか。いただいた感想やご質問からわたしも学ばせていただきました。
いただいた感想や質問は、また次に「伝える」機会をいただいた時のためのみちしるべとして大切にします。今年もまたお声がけくださった橋川先生、そして受講してくださった学生のみなさん、本当にありがとうございました。