【Report】「当事者の声を社会に届ける」 @金城学院大学 人間科学部 コミュニティ福祉学科

2021年6月、金城学院大学 人間科学部 コミュニティ福祉学科の「現代社会問題」のゲストスピーカーとして、オンライン講義でおはなしする機会をいただきました。

声をかけてくださったのは、2019年2020年とゲストスピーカーの依頼をくださった金城学院大学の橋川健祐先生。学生時代、関西学院大学 社会学部 社会福祉学科で社会福祉を学んだ同級生でもあります。

コミュニティ福祉学科では、社会に積極的に参加し、多様な地域住民とともに、すべての人々が幸せに暮らすことができる社会をつくる一人に育って欲しいという想いから「ソーシャルウーマン」ということばを掲げ、さまざまな学びや実践の場を提供されているそうです。

社会福祉での学びと希少がん患者としての経験を生かしてさまざまな専門職の方と協働しているmichi-siruveの活動も、コミュニティ福祉学科が掲げる「ソーシャルウーマン」の一つの形なのでは? と心を寄せていただき、継続して学生のみなさんにお話する機会をいただいています。

そのなかでも3年間伺っている橋川先生の「現代社会問題」は、身近な生活と社会問題に行政はどう関わってるのか、どんな課題やジレンマがあるのかということを知り、自分事として考えるきっかけをつくるために、さまざまな社会問題の当事者や支援者の方もゲストスピーカーとしてお話しされている講義。

わたしは若くしてがんを経験したひとり、つまりはひとつの社会問題の当事者として感じてきたことを中心に、当事者や専門職のみなさんと行ってきた協働についてお話しています。

2019年は大学まで伺い対面で、2020年と2021年はオンラインで。形式は少しずつ変わりながらも、毎年収録に立ち会ってくださる先生方や講義を聴いてくださった学生のみなさんお一人ひとりのコメントや質問から「どう感じたか、考えたか」というフィードバックいただいています。

それにまたお返事するという過程も含めて、一緒に振り返りながら考えてくださる橋川先生との意見交換も含めて、当事者としてことばにすることの重みや届けること、届くことについて考えるかけがえのない時間になっています。

3年目は過去2年間の学生のみなさんの声から教わったことをいっそう生かした構成とになり、いただいた感想をまたお一人おひとり読ませていただくなかで「変えた分だけ違う響きで届く」ということを実感した講義となりました。

今回は特に「若くしてがんになった人の闘病体験とその後」ではなく「福祉を学んだ一人が、突然にマイノリティな当事者になり直面した困難と、そのあとの社会との関わり」として受けとり、他の社会問題の当事者の方の声や、ご自身の体験も重ねながら考えてくださっているコメントが多く、それが今年感じていただきたかったことでもあり嬉しい声でもありました。

また、困難の最中に「助けて」と言えない当事者もいることや、治療後、急性期の支援から外れた後に当事者が抱える困難もあること、当事者に前向きさを強いる声掛けや支援、報道が、時に当事者を追い詰めることもあることも心に留めてくださったコメントが多かったです。

そういった「支援する側」の視点で福祉を学ぶだけではなかなか知覚できない、当事者ゆえの感覚をわずかでも共有できたこと。いつか花ひらく考える種として、またご自身や身近な誰かがこの先当事者として困難を抱えた時、誰かを頼るきっけになる種としてお渡しできていたらいいなとも思います。

一方で、90分という限られた時間から零れてしまうものもたくさんあり、いただいた感想や質問を読んで反省することも毎回尽きません。

収録に立ち会ってくださった先生からいただいた「ソーシャルワークとは?」という根源的な問いも含めて、宿題としてこれからも向き合っていきたいと思います。

今年もまたお声がけくださった橋川先生、そして受講してくださった学生のみなさん、本当にありがとうございました。これからも一緒に考えながら生きてゆけたら嬉しいです。

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