【Report】「掬することば」@フェリス女学院大学 音楽学部 音楽芸術学科

「心と音楽」緩和ケア医の儀賀理暁さんと
2025年5月24日(土)フェリス女学院大学 音楽学部 音楽芸術学科の「心と音楽」という講義のゲストスピーカーとしてお話しました。
声をかけてくださったのは、2022年の「医療と音楽」、2023年の「心と音楽」、そして2024年の「医療と音楽」の講義にもお声がけくださった緩和ケア医の儀賀理暁さんです。
「掬することば」~「わたし」をきくということ~
2022年以降、毎年儀賀さんからその年の講義の中心となる「キーワード」を預かり、そのことばを学生のみなさんと一緒にみつめながら過ごすひとときを重ねてきたフェリス女学院大学での時間。
2024年で一区切りだったのですが「あと4年」が決まったというご連絡があり、2025年も「心と音楽」の講義のゲストスピーカーとして学生のみなさんと一緒に時間を過ごす機会をいただきました。
今回の講義のように継続してお声がけいただく場では、今年の内容を考える前に、過去の講義の資料やお打ち合わせから振り返りの履歴、そして学生のみなさんからのご感想を一つひとつ読み返すところからはじめます。
「この3年をご一緒してきた儀賀さんとだからこそ、2025年の春、学生のみなさんに手渡せるものは何だろう?」そんな問いとともにそれぞれを読み返していると「4年目の時間を考えるその前に、この3年の儀賀さんとの協働の足跡をいつもよりも丁寧にしっかり振り返ってみたい」という気持ちがふつふつとわいてきました。
この3年間で儀賀さんとご一緒してきた大学の講義やイベント登壇などの打ち合わせや振り返りのメッセージ履歴。そこには、学生のみなさんとも分かちあいたいことばがたくさんありました。
「これは大切だ」と感じたことばを一つずつ掬いあげるところからはじめ、儀賀さんにもご覧いただきながら、そのことばのやりとりの足跡そのものを綴じた『掬(きく)することば』という3冊組のZINEになっていました。
“いえないいたみ”を抱えたわたしが
緩和ケア医の儀賀理暁さんとみつめたことばたち
講義の時はまだ綴じたてほやほや、推敲中の試作版の状態でしたが、「わたし」自身の歩みや他者との関わりをみつめなおし、大切なものを掬いあげ、分かちあい、そこからまたこれからのわたしたちを紡いでいく。そんなわたしと儀賀さんも含めて関わってきたみなさんとの関わりの過程そのものを学生のみなさんに手渡し、学生のみなさんがご自身やご自身の大切な誰かとのなにかを掬するきっかけをお贈りできたらという想いでZINEとともに伺いました。
講義の内容はZINEと響きあうように「掬することば」~「わたし」をきくということ~というテーマを置いて、学生のみなさんと一緒に90分を過ごしました。






72枚のことばたちと
今回初めての試みとして、学生のみなさんの「大切な誰か、大切ななにか」を掬するみちしるべになればとZINE『掬することば』にちりばめられた72枚の「ことば」を展示し、講義がはじまるまでに気になることばを選んでいただくという時間を持ちました。
講義でご紹介するZINEや石なども一緒にならべて、一面に広がることばやZINEや石を一緒にみつめながら。選んでくださったことばを頼りに、集まってくださったみなさんの記憶や想いも伺いながら。休日の補講ということもあり前後の時間も含めて静かにゆるやかに共有できたひとときとなりました。
当日や後日おきかせいただいた学生のみなさんからの声の一つひとつは心の中に留めますが、その輪郭を感じられるような当日の様子を残せたらと、いくつか抜粋したスライドも置いておきます。



スライドの一部はこちら





















スライドを交えたわたしからのお話はわりとコンパクトにしていて、少し休憩をはさんだあとは「儀賀さんと、みなさんと」という儀賀さんとのフリートークの時間も持ちました。



詩と歌とZINEと
儀賀さんのリードに委ねながら、学生のみなさんが掬してくださった「ことば」に宿る想いや記憶、講義をきいて生まれた問いを分かちあったり、儀賀さんと出会いから3年の日々で重ねてきた交流のことをお話したり、わたしの孤独だったがん体験を綴った詩を儀賀さんが歌にしてくださった2つの抒情歌、ZINE『掬することば』のことをお話したり。実際にZINEの中身や詩と歌をわたしたちの声と演奏でもお届けしながら、教室に集まったみなさんと残りの時間を過ごしました。
詳細はここには記しませんが、学生のみなさんからいただいた感想も含めて、今年もまた忘れられないことばと声をたくさんいただいたひとときとなりましたし、この日の講義でいただいたものが、その後他の大学の学生さんと過ごす時間にも生かされていったことを実感しています。
本当に、一つ一つの出会いや関わり、一瞬一瞬の積み重ねが明日のわたしを豊かにしてゆくものなのだなと。
土曜日の補講だったにも関わらず集まり、まっすぐな声をきかせてくださった学生のみなさん、本当にありがとうございました。
最後になりましたが、今年もフェリス女学院大学の学生のみなさんとともにみつめる機会をくださった儀賀さん、昨年・一昨年に引き続き一緒に時間を過ごしてくださった儀賀さんのもとで緩和ケアを学ばれている大学院生の吉田輝々さん、そして出会った学生のみなさんへの感謝の気持ちをこめて、ここに綴り残します。
本当にありがとうございました。


